スーパーマーケットに業態変更した居酒屋ナチュラの顧客インサイト

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武蔵小杉という駅周辺に5店舗も店舗展開をしている、地元では大人気のイタリアン酒場「ナチュラ」。

今回の緊急事態宣言で営業自粛を余儀なくされました。その代わりに、仕入れた食材(魚や野菜)とお惣菜料理に完全シフトして営業を再開。

と、ここまではどこの居酒屋さんも取り組むコロナ対応。

お店で食べて飲んで一人4,000円は普通だけど、テイクアウトやお弁当になると2,000円でも高く感じるのは人の性。

私たちは、お腹を満たすだけに居酒屋に行くのではなく、そこで受ける接客や雰囲気に対してもお金を払っているので、食べ物や飲み物だけを切り出されてしまうとどうしても高く感じてしまいます。

それでも、なじみのお店だったりすると「なんとか助けたい」思いで買ったりもするけど、あまり続かなそうです。

ここ「ナチュラ」は、店内の椅子やテーブルをすべて片付けて、お店丸ごとスーパーマーケットのように手作業で改装してしまいました。

まるで高級スーパーマーケットに陳列されているような多種多様なお惣菜が店内に、店の軒先には新鮮そうな野菜や魚が並びます。

居酒屋の営業を一切辞めて、5店舗を2店舗に集約。

それまでの「居酒屋の顧客」から、紀ノ国屋や成城石井といった「高級スーパーマーケットの顧客」にターゲットを変えてしまったのです。

居酒屋メニューを食材として切り出すと高いけど、高級スーパーの食材やお惣菜なら多少高くても買いたい。こんな顧客のインサイトを見事に突いています。

ここまで思い切ったシフトチェンジはなかなか見当たりません。

こうした有事でやむなく業態を変えたとき、消費者心理を読み解いて真の競合がどこにいるのか冷静に考えなければこの発想はできません。

もともと人気店でしたが、今回の対応でなぜこのお店が人気だったのか。

今回はその真髄を見た気がします。

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