ステイホームによって世界中で需要が急増している動画配信サービス(VOD)。
日本でもHulu、Amazonプライム・ビデオ、U-NEXT、dTV、DAZN、Netflixと多くの企業が参入しています。
その中で、人気急上昇中のNetflix。
日本上陸は2015年ですが、創業は1997年。
実は、動画配信サービス企業の中では老舗です。
はじまりは、インターネットを使ってレンタルビデオを定額で配達するビジネスモデル。ただし、レンタルするのは新作ではなく旧作。なぜなら仕入れが安い。だから定額で借り放題。競合は全米に3000店舗以上を展開していたレンタルビデオ大手のブロックバスター。事業を始めるにあたり、Netflixはブロックバスターにパートナーシップを持ち掛けました。しかし、旧作ばかりを集めた定額宅配サービスが儲かるわけがないと、その提案を退けます。
どこよりも早く新作の在庫を持っていること。
見たいときにすぐ見れるように消費者の家の近くにお店があること。
これがレンタルビデオの勝ちパターン。
それに対して、Netflixはネットで注文してから届くまでに数日かかるし、旧作しかない。
従来の勝ちパターンで儲かっていたブロックバスターはそんな事業に魅力を感じません。
しかたなくNetflixは、「延滞金なし・定額借り放題」、「レコメンド機能」というサービスで、戦う土俵を変えて勝負を挑みました。
スタートアップから苦節5年。1200億円の累積赤字に苦しんだものの、2003年に黒字化を達成。2007年には現在のビジネスモデルとなる動画配信サービスや映画製作事業に参入。いまや、世界中に1億8千万人超の会員を抱える世界一の動画配信サービス企業です。
一方で当時の競合ブロックバスター。
2010年に破産を申請。今はオレゴン州にある1店舗で細々と運営しているそう。まさにイノベーションのジレンマ。時代の流れや潮目を見極めて変化することの重要性を感じる事例です。