口コミの正体

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もう世間の関心は一段落していますが、一時期『ステマ(ステルスマーケティング)』という言葉が世間を騒がせていました。

ステマとは、有名人や、お店の競合が一般の利用者になりすまして、そのお店の都合のいいように良い評判を書いて人々の関心を求めるマーケティング手法。

企業から対価をもらいながら、中立的な立場を装って良い口コミや良い評価をすることは一歩間違えれば法にも触れる行為ですので、絶対にやっていはいけないのは当然ですが、口コミそのものはレストラン、ホテル、書籍から、転職サイトの企業、果ては大学の授業まで世の中は口コミで溢れかえっています。

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なぜ人は口コミを求めるのでしょうか。私も、居酒屋を捜すときや出張でホテルを探すとき口コミを見ます。

それは、自分の下す決断が失敗したくないから。

でも、口コミの信憑性には少々懐疑的でした。匿名性を利用して、ステマのようにいいことも、逆に悪意を持って悪いことも書くこともできる。実名のFacebookであればそうではないという意見もあるけど、逆に悪いことは書きにくいから、悪く思ってもいいことを書いたり、自らの主張を強調するためにいいと思っても、悪く書くかもしれない。

インターネットもSNSもない、昭和の時代いや、江戸時代の井戸端会議で行われていた情報交換の場でも、本質は同じだったのではないでしょうか。

つまり、口コミは受け手のためにあるようでいて、発信する側の意図にもとづいて書かれている。そのお店、商品を試す人が失敗をしないように判断材料を増やすためにではなく、発信者が受け手にどう思わせたいのかをあらかじめ決めている。そこは善意と悪意が玉石混合。しかもタチが悪いことに、ここでいう善悪は情報の受け手に向けられてはいない。

それは、評価対象に対する善意と悪意。

お金をもらって、行ったこともなければ、使ってもいないのに、いいことを書く。嫌いな人・企業だから、悪く書く。

いや、お金をもらって悪く書くケースもあるかもしれない。

そういった、感情や損得のもとに口コミは存在しているのだと思います。いつの時代もその本質は変わらない。だからこそ大切なのは、情報を受け取る側が一つ一つの情報を清濁併せ吞む覚悟を持って受け入れ、自己責任のもとに判断することではないでしょうか。

半信半疑で利用してもいいし、利用しなくてもいい。その自由は受け手にはある。試して良ければまた使うだろうし、悪ければ使わない。我々消費者にはその自由もまたあるのです。

『ステマ』の会社をいくら葬っても、口コミを書く人の感情を消し去ることはできません。

情報を生かすか殺すか、だまされるのかは、取捨選択するその人次第。フェイクニュースが飛び交っている現代は、入ってくる情報を自分の頭で考えて判断する力が求められています。

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