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「どうやってなおすかわからないものを、壊し続けるのはもうやめてください」
1992年6月。ブラジルのリオ・デ・ジャネイロで行われた環境と開発をテーマとした国際連合会議に集まった世界のリーダーに向けて、当時12歳の少女セヴァン・スズキさんは訴えかけました。このことは伝説のスピーチと呼ばれ、今なお語り継がれています。
2019年9月に行われたニューヨークの国連会議で、今度は16歳の少女グレタ・トゥーンベリさんもまた、世界のリーダーを前に時に涙を浮かべながら約5分間のスピーチで地球温暖化に本気で取り組んでいない大人たちを許さないと訴えかけます。
ところが、絶賛を受けたセヴァン・スズキさんのときと比べて、世論は二分されています。私の私見ですが、訴えている内容そのものに大きな違いがあるようには感じませんでした。
内容そのものの是非はさておき、なぜそのような世論を形成してしまったのでしょうか。1年前のTEDにグレタ・トゥーンベリさんが環境問題と自身の病気についてスピーチをしている映像があります。
先月のスピーチと打って変わって、穏やかにわかりやすく主張を繰り広げています。ご自身の病気のことを告白していることや、スピーチの聴衆が今回と異なることも理由にあるのかもしれません。
スピーチやプレゼンテーションは人に何かを伝えるためにあります。もしかしたら、今回のスピーチは、聞こえの良い言葉で美談として流されるよりも、憎悪されてもそのほうが伝わると考えての行動だったとしたら、後世は素晴らしいスピーチと言われるようになるのかもしれません。