かつて美容業界に存在した、美容室開業支援企業のアトリエワールド。
美容室の開業からその後の運営支援まで一気通貫のビジネスを展開していましたが、その後、自社で作った店舗を独立希望の美容師さんに賃貸で貸し出す「店舗レンタルシステム」という事業を開始します。
運転資金として2000万円まで融資することで、賃貸料に利息分を乗せて利益を得るビジネスモデルだったと記憶していますが、東京、名古屋、仙台、広島、札幌に営業拠点を展開し、2000年には47億以上の売り上げを上げていたそうです。
しかし、かなり高額な賃貸料を6年間にわたって支払うことになるため、開業するのはたやすくても、支払いを継続できずに倒産する美容室が相次ぎ、2004年までに売上は約32億円へ減少、不良債権の発生もあって赤字に転落。民事再生による経営再建を試みましたが2005年に倒産してしまいます。
USENと新生銀行が2020年1月に向けて零細企業向けの融資やリースを手掛けるサービスに参入すると発表がありました。
創業間もない飲食店などとは取引がしにくい。USENは音楽配信やタブレット型のレジ、防犯カメラなどを手掛け、全国75万店が利用する。入出金データや店舗サービスの支払い状況など、財務諸表では見えない情報も把握できる。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53453140X11C19A2EE9000
USENが持つデータで与信を判断して財務諸表だけに頼らずに融資をするサービスです。
独立資金面から美容室を支援するサービスは、ビューティーガレージ社が「店舗まるごとリース」や、リクルート社が「パートナーズローン」を展開しています。
低金利で苦しんでいる銀行業界。フィンテックだけでなく、融資対象の拡大を目指してこうした動きはますます広がりそうです。
画像引用: https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53453140X11C19A2EE9000